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3 ; 麻は総称。さまざまな麻について

・麻と呼ばれる植物たち・

麻の種類は、約20種類以上になりますが、下記の表のように代表的なものだけでも、相当な数があります。麻と呼ばれるものには,靭皮(ジンピ)繊維と葉脈(ヨウミャク)繊維があります。

麻として代表的な亜麻(繊維をフラックス,糸や製品をリネンと呼びます),苧麻(カラムシ,ラミー,ヤブマオ)を始め,大麻(ヘンプ),黄麻(ツナソ,ジュート),洋麻(ケナフ,タイ・ジュート),ぼう麻(チャイナ・ジュート,インディアン・マロー,青麻,市皮)などは,茎の表皮の内側の靭皮から繊維を採る軟質靭皮繊維です。

マニラ麻(アバカ,マニラ・ヘンプ),サイザル麻,ヘニケン麻,ニュージーランド麻,マゲー麻,カントン麻,モーリシャス麻などは,葉脈から繊維を採る硬質葉脈繊維です。

わが国の家庭用品品質表示法においては,衣料用として亜麻(リネン)と苧麻(ラミー)のみを「麻」と称しています。

大麻も含め、その他の麻については、「指定外繊維」という表示になります。

日本語で麻繊維はアサ科アサ属の大麻(学名Cannabis sativa)から作られた繊維を指す名称でした。

古代から日本に自生し繊維利用の盛んだった植物である大麻を麻と呼称していましたが、後に海外より持ち込まれたアマ科の亜麻(Linum usitatissimum)やイラクサ科の苧麻(Boehmeria nivea var. nipononivea)などを含めた植物繊維全般を指して「麻」の名称を使うようになったため、本来の麻Cannabis sativaを植物の背丈が大きく成長する特徴から、明治以降に外来のマニラ麻などと区別するために、麻が大麻(おおあさ、たいま)と区別して呼称するようになったとされています。

現在日本で麻の名称で流通している「麻」と表示されている繊維製品のほとんどは亜麻から作られるリネンや苧麻から作られるラミーです。

・さまざまな麻の性質の違い・

日本では「麻」と称される植物だけでなく、その他さまざまな植物の靭皮繊維を利用してきました。それらを総じて、自然布と呼称します。

固い植物の表皮(内皮)を水で晒したり、灰で似たり、叩いたり、工夫と手間ひまをかけて、柔らかく生地に織りたててきました。

藤布,葛布,太布,科布,芭蕉布,オヒョウ,など,いずれも日本の伝統的な繊維利用の文化であり、現在ではその生産は減少しており、伝統の継承が危ぶまれています。

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